広ーい北海道のでっかーいホテル - 定山渓温泉 定山渓ビューホテル

定山渓ビューホテル
札幌の奥座敷・定山渓温泉。本州でも名の通った大温泉地だ。真冬の北海道「さっぽろ雪まつりを見よう」グループ旅行の2泊目が当地の定山渓ビューホテルだった。

でかい。このホテルはとにかく規模がでかい。1フロアが広いし、かなりの高層階まであるし、しかもそれが本館と新館と2棟あるのだ。さすがは北海道の雄大なスケール。

折しも雪まつり開催時期で、ほぼ満室ではないかと思われるものすごい人の数。この調子じゃ温泉大浴場が芋洗いの大変なことになるんじゃないかと恐れたが、実際はそれほど混み合わず、快適に温泉を楽しむことができたのは幸いだった。

雪まつり見学後に「定山渓ビューホテル」へ到着

今回は団体パックツアーを利用した。雪まつりという超大規模イベント期間中に、会場周辺にせよ郊外の温泉地にせよ、個人が宿泊先を確保するのは望み薄に違いない。どうせツアー会社が全部押さえちゃってるんでしょう?

そんなわけでパックツアーに乗っかったおかげで、楽といえば楽だった。前泊した函館・湯の川温泉の湯元啄木亭をバスで出発、大沼公園や洞爺湖を経由して札幌へ入り、夜の雪まつり会場を少し見学した後に定山渓ビューホテルへ送り届けられた。

あたりはすっかり真っ暗。温泉街がどうとか近隣の様子などはまったくわからない。それに時間の余裕もない。すぐに夕食をとって風呂に入らなきゃ…。グループ行動だったのもあるし、結局ホテルをピンポイントで体験したのみで、定山渓温泉全般については認識できずじまいだった。


新館高層階のちょっといい部屋

しつこいようだが当ホテルはでかくて広い。ロビーも広い。入ってすぐのところにニポポ人形…じゃないや、アイヌの像があった。北海道アピールかな。隣にはなぜかシロクマの剥製が。
定山渓ビューホテル ロビーの像
併設のお土産コーナーもホテル内のものにしては広い。品数も多そうだ。温泉街の道端でなくこういう場所でふかした温泉まんじゅうを売っているのは珍しい。

我々の部屋は新館の16階。なんと最上階。プレミアムな扱いを受けた気分になって喜んでしまう、単純なおじさん(単なる部屋割りのあやだろうけどね)。しかし新館は巨大な本館を通り抜けた先にあるため、エレベータ乗り場までが遠いこと遠いこと…。

部屋はきれいですばらしい。文句なし。10畳+掘りごたつ風のゆったりした広縁。窓の外には高層階から見下ろす夜景が広がる。これだけでも価値がある。
定山渓ビューホテル 和室
ところでテレビの下にあったスーパーファミコンボックスって何?
スーパーファミコンボックス
独立式のトイレ・洗面所付き。これらも新しくてきれいだ。もちろん冷蔵庫・金庫なども揃っており、ちょっといい感じのホテルの水準はクリアしている。慌ただしく泊まりに来るだけじゃもったいなかったなあ。ちなみに翌朝に窓の外を撮した景色がこれ。

新館大浴場「星天」体験記

本館と新館にある大浴場

実際は後述の夕食後に風呂だったけど順序を入れ替えてレポートする。定山渓ビューホテルの大浴場は本館地下1・2階と新館16階にある。

温泉大浴場は本ブログの主軸ネタでもあるし、いつもならすべての浴場を体験するのだが、なんだか疲れちゃって気力がなくなっていたため、泊まった部屋から近い新館16階の大浴場「星天」だけにした。

ガイドさんによれば、星天は少し狭く、本館大浴場「湯酔郷」の方が広いですよとのこと。広さと開放感を極めたい方は本館へどうぞ。

全然狭くない、むしろ広い星天の内湯

星天の男湯の脱衣所は多数の客に対応できるよう、脱衣かごを多めに用意したりと頑張っているかわり、若干窮屈な感じ。まあ客が少ないうちは問題ない。貼ってある分析書には「ナトリウム-塩化物泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とあった。清掃後のお湯貯め時のみ加水あり。加温・循環・消毒あり。

浴室へ入ると、なかなかどうして、結構広いじゃないの。洗い場は10名分ある。その奥に細長めの内湯浴槽。こいつがでかい。前日の啄木亭の浴槽も大きかったがそれよりも大きい。何人くらいいけるのか、目測ではもうわからない。

ホテル中の客が一斉に入浴しに来たらさすがに通勤ラッシュ状態だろうけど、夜22時頃と朝に行ってみた限りでは人口密度はそんなに高くない。洗い場込みで15名程度じゃないかな。それくらいなら超余裕。浴槽を広々、半独占気分で味わえる。

豪快に入ってあふれ出るお湯

お湯は無色透明。特別な匂いなし。熱すぎず・ぬるすぎずの適温だ。湯口からはお湯がドバドバと投入され、浴槽の縁という縁からザバザバとあふれ出ていた。循環とはいえ豪快なかけ流し風の見た目である。

ひとつ特徴というかなんというか、お湯が微妙に深い。浴槽の底にお尻を付けて座って入るのは無理。顔がお湯の下に来ちゃう。湯船で中腰の姿勢を保たなきゃいけない。訪日外国人サイズに合わせているのだろうか。それでも深いと思うけど。

全面ガラス張りの窓から、夜なら定山渓温泉の夜景を望むことができる。朝に入った時も日の出前だったから、やっぱり夜景だった。

屋上プールのような露天風呂

星天はこれだけじゃない。浴室入口に上の階への階段が付いていて、屋上の露天風呂へ出ることができる(時間により男女交互に使用)。

こちらも内湯ほどではないがでかい。深めに作ってあることと屋外にあることもあわせて、アメリカのドラマによくある家庭のプールみたいな雰囲気。細長くはなく、ペヤング焼きそばの容器くらいの四角形。

屋上の雪は完璧に除けてある。先客は1名。超余裕で入ることができた。お湯は内湯と変わらぬ適温で、寒くて出たくなることはなかった。そんなに長湯もできないけど。星天の名の通り、天気が良ければ星がきれいに見えたかな。当日は残念ながら曇天だった。

ホテルの規模を忘れて絶対評価でいうなら星天の内湯も露天も十分すぎるほど大きい。行かなかった本館の湯酔郷はどんだけ広かったんだろうか。


大迫力の巨大ホール「グランシャリオ」での食事

めまいがするほどの大混雑

我らツアー客の食事は朝夕とも新館1階のバイキング会場「グランシャリオ」で。しつこいようだがでかくて広い。とにかく大迫力の光景だ。下の写真はチェックアウト前にエレベーターホールからガラス越しに見たグランシャリオ。
定山渓ビューホテル バイキング会場グランシャリオ
だがしかし…かの巨大会場をもってしても、ホテル中の客が殺到すればあっという間に満員御礼、空席待ちの客が長い長い列を作ることになるのである。

夕食時、我々グループは幸い10分程度の待ちですんだものの、相席を余儀なくされた。あまりの混雑にスタッフさんも大わらわ、まったく余裕がない。「まずは一杯」のビールを注文するためにスタッフさんに声かけするだけのことにも難儀した。

食うか、食われるか(ある意味で)

料理を取りに行く。中華が多い印象。とにかく混んでるし人気メニューは(一時的にせよ)切らしてるしで、もう選り好みしてる場合じゃない。取れるのを取ってきた結果がこれ。サラダは競争率が高いんであきらめた。
定山渓ビューホテル 夕食バイキング
なんかいろんな意味で胸いっぱいでおかわりする気にならなかった。あとはラーメンで締めて終了。鄙びた場所ばかり行ってる「混雑絶対避けるマン」のおじさんにはちょっと厳しいシチュエーションだったね。

なおディスるつもりはない。雪まつり開催中の超混雑はしょうがないってわかってるし、承知の上で来ている。ハイソな個人旅行の方々であれば、別途プレミアムダイニングという会場もあるようだから、そっちなら予約制でゆったりしているんじゃないかな。

朝もラッシュアワー

夕食で学習した我々は、朝食を混雑しがちな7・8時台でなく6時台の開始時刻狙いで行ってみた。

5分前に行ったんだけど…うぉおぉおぉおぉおぉお…人人人人人人人人人人人人人人人人人人の列列列列列列列列列列列列列列列列。なんじゃこりゃあ! 100人か、200人か、いやもっとか。プレステ3の発売日かよ。もの食わせるっていうレベルじゃねーぞ。

列の最後尾につくやいなやプレステ3の販売開始、じゃなかった、グランシャリオ開場。幸い一発で入場できたものの、空きテーブルを探すのにひと苦労。そして料理を取るのにひと苦労。一斉に入場したから料理にも一斉に群がるからね。料理の写真を撮る気力もわかず。

なおディスるつもりはない。雪まつり開催中の超混雑はしょうがないってわかってるし、承知の上で来ている。他の時期だったらすべてに余裕があり、「おー、なんて広さだ、こりゃすごいし優雅だわ」と別の印象を持ったかもしれない。


子供たちが救った定山渓温泉

ホテルのハード面は文句なし。大規模ホテルならではの広い温泉大浴場は開放感たっぷりだ。食事がちょっとアレだったけど、こりゃもう、訪れた時期がすべてですな。あれだけ大量の人間が一時に集中しては、いかなる運営をしてもどうにもならない。
定山渓ビューホテル 定山渓大橋の下付近
ガイドさんの話では、当ホテルにはプールがあって、子供たちに大人気だそうだ。札幌の子はみんな一度は来ているといっても過言ではないとか。その人気が寂れかかっていた定山渓温泉を救ったとも。へー。

そういえばチェックアウトのときにロビーの「日帰り受付」のところに小さい子連れファミリーがいっぱい来てた。温泉を救った子供たちってわけか。子供を大事にするのが大事ってことだな。子は国の宝だってNHKで島津斉彬公も言ってたしな。


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