おなじみ栃尾又温泉でのプチ湯治を終えたおじさん。しかし旅はまだ終わりじゃない。今回は続きがあるのだ。まずやるべきことは昼の間にぬる湯を1箇所体験しておくこと。栃尾又の近辺でぬるくて未体験で日帰りOKの温泉を探してみたところ、結果的に近辺とは言い難いけど、入広瀬地区の浅草山荘が候補に浮上した。
ある種のこだわりから六十里越の向こう側の福島県・田子倉湖まで行きたい野望もあって、浅草山荘とセットでトライすることにした。当宿の場所は浅草岳の懐ながらも、眺望や源泉を引いてる元という観点では、お向かいの守門岳の存在感が強い。お風呂については源泉槽が金気臭のする濁り湯。しかも訪れた時期に合う爽快なぬるさで良し。
浅草山荘へのアクセス
田子倉湖への六十里越
全体の行程でいうと3日目、栃尾又温泉宝巌堂をチェックアウトしたら車で出発。同じ魚沼市とはいえ栃尾又と浅草山荘はずいぶん離れている。途中で田子倉湖にタッチしなきゃいけないし、合計で80km以上・2時間を超えるドライブになりそうだった。
なんで田子倉湖かというと、3年前の夏に仲間と奥会津を周遊した際、新潟福島県境に近い田子倉無料休憩所まで到達していた。じゃあ今度は新潟サイドから同じ場所へ到達してみようじゃないか、と妙なこだわりが湧いてきたのだ。そこに何の意味があるのかなんて聞いちゃいけません。
JR只見線や破間川・末沢川と並走する国道252号を走ると、ワイルドだったり旅情を誘う風景が次々現れる。大白川駅の手前ではつい車を止めて撮影したくなるスポットが。※駐車帯があります。
六十里越の峠道はススキの季節。県境を越えた先の六十里越峠開道記念碑のある展望台から田子倉湖が見えてきた。
そしてついに田子倉無料休憩所へ。見覚えありまくりだなー、こういう線路。
3年前と同じ橋の上から同じアングルで撮影。水位はずいぶん低いですね。
橋上で反対方向も撮影してみた。もしや背後に見えるのが浅草岳か?…あの山の向こう・新潟県側に今から行こうとする浅草山荘があるのだと考えるとなかなかのロマンですな。
浅草岳公園の中にある温泉宿
こだわりを達成して自己満足を得た後は浅草山荘へ。直線的には行けないから25km・40分ほどの道のりになり、最後はこのような赤い橋を渡る。橋の向こうに目的の建物が見えてますね。
現地は浅草岳公園として整備され、当施設もその一部。赤い橋を渡って公園内に入るとすぐに破間川ダムとダム湖のビュースポットがあった。春先のダム湖は「雪流れ」という流氷のような現象が見られることで有名。
このあたりは福島県のみならず三条市との境も近く、1つ前の遠征で訪れた三条市の嵐渓荘や、六十里越と並んで中越~只見を結ぶ八十里越なんかが想起されてくる。魚沼と奥会津と三条…別々の記憶がつながって脳内ニューラルネットがアップデートされたぞ。
黒姫の恵み、ぬるい濁り湯でハッピータイム
守門岳に見送られて大浴場へ
浅草山荘の向かいはBBQやキャンプ関連の施設ぽい。ほかにテニスコートもあったな。
では入館。季節と曜日の関係からか、館内のみならず公園を見渡す限り、自分以外の客の姿はまったく見当たらない。でも営業してくれてるみたいでよかったー。フロントで800円をお支払いしてからこのような廊下を通る。
右手はレストラン、左手はコワーキングスペースだ。コワーキングスペースの窓から見えるのは方角的に守門岳(から続く稜線)かな。ピョコっと三角形に立ち上がっているピークは後述の黒姫ではなかろうか。確証はないけれど。
大浴場の手前に100円貴重品ロッカーあり。脱衣所内にロッカーはなかったかと。分析書をチェックすると「ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉、等張性、弱アルカリ性、低温泉」だった。泉温31.1℃、PH7.9。湯使いは不明ながら源泉槽があるんだったらそっちは確実にぬるいでしょう。
ぬる湯派の観点ではワンポイント利用向きの加温槽
入館時からわかっていたけど浴室内には誰もおらず独占状態。洗い場は9名分あった。その反対側の窓に接して2つの浴槽が並んでいる。入口に近い方が横並びで3~4名、向かい合わせになれば倍の人数を収容できるサイズの源泉槽。入口から遠い方が源泉槽より倍近く大きな加温槽。
加温槽のお湯は無色透明でオーバーフローしている様子もなく循環濾過ありと思わせる。浸かってみたら標準的な適温だった。湯の花・泡付き・匂いの面でもこれといった特徴は感じられない(塩素臭はしない)。今はぬる湯を目指して来ているのでたまにワンポイントで入る使い方になるかな。
源泉槽は見た目も浴感も「まさに源泉」
源泉槽のお湯はまるで違い、暗青緑色とでも呼ぶべき濁り湯だった。後日ネットの画像でよく見るような赤みや茶色成分は認識しなかったなあ。ただし浴槽のタイルは茶色がこびりついてる感じ。
温度は期待通りにぬるい。体温よりは低いが、入る際にゾクゾクっとしてゆっくり慣らしながら浸かる必要はなく、特に抵抗もなくスッと入れる。秋とはいえまだ日が差すとじんわり暑い時期なこともあり、ちょうどいい爽快感を与えてくれる温度だ。
湯の花は意識されずで、腕などをよく観察すると微小な泡付きが見られる。匂いには金気臭を感知した。いいじゃん。「源泉の湯」というプレートが置かれた湯口には石鹸ネットみたいなのが付けられてて、湯の花のもとになる不純物をキャッチさせているのかもしれない。また、縁の一部の切れ込みからお湯が出ていく様子を見るに循環なしでしょう、源泉槽だし。
温泉についての解説を書いた紙が壁に貼られてる…守門岳の右側に突出しているピークは黒姫で、浅草山荘の源泉は黒姫からパイプで5kmほど引湯している、その間に温度は25~30℃になっている、みたいな内容。添付されてる山の写真が先ほどコワーキングスペースから見えた山に似ていた。
爽快感のあるぬる湯がたまらない
今日はたまたま抵抗なく入れる温度だったけど、源泉槽が非加温であるなら、もっと寒い季節や日々のコンディション次第では30℃を下回って、ゾクゾクくるひんやり系になることもあるのか?…そうすると加温槽が大事になってくるな。
ともかく訪問当時は寒気がしない、爽快感だけがある心地よき湯だった。おかげで湯の中でうつらうつら眠りそうになってしまった。誰にも気兼ねしなくていい独占状態だったし、こいつは最強だぜ。
たまに脱衣所の時計を確認しつつ、源泉槽にじっくり→加温槽ちょっとのセットを繰り返し、きっちり1時間であがった。体感的には1時間よりずっと短く思えたから、ぬる湯の居心地が相当よかったんだろう。田子倉湖へのこだわりドライブとあわせて達成感・充実感が半端ない。これで明日への活力が生まれるなら、自己満足な行為も決して無意味ではないだろう。
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