これぞインフィニティ風呂の醍醐味 - 赤沢日帰り温泉館

赤沢日帰り温泉館
伊豆高原の赤沢にわりと大規模な温泉施設がある。赤沢温泉ホテルならびに赤沢日帰り温泉館だ。以前はDHCが運営に関わっていたが今は違うっぽい。2泊3日の中日が東伊豆町から伊東市への移動で、単に直行するとあまりにあっさり着いてしまうため、どこかでゆっくり立ち寄り入浴したく、大浴場以外にも充実の施設で長時間滞在に向いてそうな当館に目をつけた。

海を望む絶景風呂となるように作られた内湯や露天風呂はよくできてる。特に露天風呂はお湯と海が一体化したかのように見える、いわゆるひとつのインフィニティ風呂になっており、開放感でテンションが上がる。伊豆高原のリゾート風情とあわせて、旅行の楽しい気分を盛り上げてくれる温泉だ。

赤沢日帰り温泉館への途中で寄った熱川バナナワニ園

なんといっても主役はワニ

旅の2日目。白田温泉・宮田荘をチェックアウトして国道135号を北上する。次の宿まで素直に直行すると4時間ほど時間が余ってしまう。観光なり温泉なり、何かしなければ。

行き先候補のあてはあった。まず熱川。一大温泉地ではあるけど、熱川で午前から日帰り入浴を受け付けているところは、皆無じゃないにせよほとんどない(たいがい15時以降)。基本は泊まるべき温泉地なんだな。じゃあベタだけどバナナワニ園にしよっか。
熱川バナナワニ園
大昔に何回か来ているはずだけど記憶にございません。どんなところだっけ。宮田荘でもらった割引券を使って入場料1900円。順路の最初はワニ園で、まあワニがたくさんいます。
ワニ
だいたい動かずじっとしているが、たまたま動き出して水(温泉を利用した温水?)に入る場面に遭遇した。ワニも動く時は動くんだね。100秒後に動くワニ。
水に入ろうとするワニ
今年は群馬のジャパンスネークセンターにも行ったし、爬虫類に縁があったな。そういえば夏には戸倉上山田の亀清旅館に泊まったら、お風呂の湯口が亀=爬虫類だったんだ。こじつけだけどまあいいや。

本園は高低差のある温室群

以上はワニ園。他に本園と分園がある。ワニ園から道路を挟んだ向かいの本園は温室展示の植物園だ。
本園の温室
植物だけでなく順路の途中にマナティーの水槽もある。ちょうどお食事タイムだったようで。
マナティー
温泉目線ではこういうのとか。
温泉櫓?
入口から最奥部まで結構な高低差がある。その最奥部にはオオオニバスの池。熱川の温泉資源をもってすればこのような温室運営が可能だってことか。
オオオニバス

分園には南国フルーツがいっぱい

分園までは距離があるため無料シャトルバスが運行されている。こちらにもワニがいる。
分園のワニ
あとはレッサーパンダ。この時は外に出されてなくて全頭が檻の中だった。
レッサーパンダ
メインは果樹園と称して熱帯地方の果樹が展示されていた。バナナワニ園というくらいだからバナナは当然として、他にマンゴー・パパイヤなど。一部は併設のフルーツパーラーで提供されている。
バナナ
展望台から見える海と伊豆大島がいいですね。
展望台から望む伊豆大島
おっと、バナナワニ園の紹介記事になってしまうところだった。では赤沢へ移動しよう。熱川からR135で北川・大川を経由して10分ほどで着いてしまった。ちなみに電車利用の場合は伊豆急行・伊豆高原駅から無料送迎バスで15分。1時間に1~3本運行されている。


大規模な日帰り温泉施設

付属施設もいろいろで長時間滞在可能

当館は国道沿いにあってわりと大規模な建物だ。向かいの駐車場も広くてたくさん止められる。駐車場の角には足湯コーナーの跡。今はもう稼働していないと思われる。
足湯コーナー跡
日帰り温泉館から数十メートル離れた場所に赤沢温泉ホテルの建物。日光が変な入り方をしてうまく撮れなかった。
赤沢温泉ホテル
基本料金内でタオルとバスタオルを貸してくれると知っていたから手ぶらでゴー。下足箱に靴をしまい、券売機で入浴券(1600円)を買っていざ入館。長時間滞在するつもりで大浴場へ何度も出入りする方々には館内着レンタルもやっている。

1階はフロントとお土産コーナーと海の見えるラウンジとレストラン。2階は休憩処とマッサージ。3階4階が男女日替わりの大浴場。この日は4階が男湯だった。さっそく参ろうか。

広い内湯からでも海が見える

脱衣所には100円リターン式の鍵付きロッカーがずらっと並んでいる。貴重品ボックスもあったかも。分析書には「ナトリウム-塩化物泉、高張性、弱アルカリ性、高温泉」とあった。高張性かあ。効きそうね。そして加水・加温・循環・消毒あり。タオルとバスタオルはフロントで渡されるのではなく、脱衣所にいっぱい積んであるのを都度取っていく方式。

洗い場は浴室の右奥に20名分の区画が設けられている。浴室内で最大の存在感を示すのは当然のごとくメイン内湯浴槽だ。広い窓ガラス越しに海が見えるように作られており、全員が海を見る向きで横一列に並んで入ってもトータル20名くらいいけそう。

左端近くはジャグジー、反対の右端近くは2名分のジェット寝湯区画になっている。中のお湯は無色透明にやや緑がかった色が付いているように見える。白っぽい微粒子が漂っているのは湯の花かな。塩素臭は特に感じなかった。温度はまあまあ入りやすい適温だし、全般に万人向きのマイルドな泉質。

他に2つのつぼ湯と水風呂とサウナあり。つぼ湯はイベント風呂らしく、片方がお茶・もう片方がレモン風呂と説明されていた。温泉利用なのかどうかはよくわからない。


眺望にすぐれた赤沢の顔・大露天風呂

眼下に広がる青い海

露天エリアにはメインの露天風呂とジェット寝湯がある。まず寝湯の方は定員3名でお湯はぬるめ。ここでのんびりするのはいいかもしれない。しかし当時は空に顔を向けた体勢だと日差しがまぶしくて、期待したほど長居はできなかった。

主役級のメイン露天風呂は内湯同様に20名いけそうなサイズ。中央付近は屋根付き、右奥に2筋の打たせ湯コーナーあり。お湯はやっぱりクリアな薄緑の適温。

最大の売りは眺望でしょう。高い位置から海を見下ろす感じで、視界を遮るものはなにもない。遠い彼方の水平線まで見えちゃいます。

完成度の高いインフィニティ風呂

下の写真はラウンジから撮ったもので陸地が多くを占めているが、露天風呂から見えるのはもっと左方向に目線を向けた、視界の大半が海になっている景色だ。
ラウンジから見える景色
おにぎり三角形の島影も確認できた。方角と大きさから利島ではないかと思われる。お風呂に浸かるとそんな景色がさらに映えるのだ。湯船の縁がほぼ目立たなくて、お湯のすぐ先に海がつながっているかのように錯覚させられる。インフィニティ風呂ってやつですな。

絶景の見せ方の完成度が高いから大したもんだ。しかも快晴の天気でまさに最高の条件が重なった。君は完璧で究極のインフィニティ風呂、って感じ。来た甲斐があったわ。

ひと通り楽しんだ後、いったん2階休憩処で小休止。畳の広間+マッサージチェア+ドリンク自販機が用意されている。畳の上でごろごろしてたらいつのまにか眠っていた。目を覚ますと再び大浴場へ行き、絶景温泉を楽しむ。という2クール制で十分に堪能した。

旅の2日目の昼はバナナワニ園だけ、あとは温泉でだらだらして時間消費してしまった。でも温泉以外に何もしない旅を一つの理想形にしている自分としては、有意義な過ごし方ができたと思っている。