輝くグリーンが映える超巨大風呂 - 草津温泉 西の河原露天風呂

草津温泉 西の河原露天風呂
温泉ランキングや人気投票があるとだいたい1位に輝く温泉界のキング・草津にはまだ1回しか行ったことがなかった。しかもその1回は自分が一人旅でやるような温泉メインの内容ではないグループ旅行。いつかまた行ってみようとは考えていた。

このたび一人で、かつ車で万座へ行くことになったので、草津を再訪するちょうどいいチャンスだと思われた。泊まりじゃない通りすがりの立ち寄りだけどね。

草津といえば由緒ある共同浴場もいいけど、ここは一発、有名な大露天風呂を体験してみようじゃないか。そう、西の河原露天風呂だ。とてつもない広さの岩風呂、いかにも草津ぽい熱き緑色の酸性泉はお見事。

西の河原露天風呂への道

白根側からのアプローチ

4年前に行った時は特急草津で長野原草津口駅まで行き、そこからバスに乗ったんだった。車で行く場合も同様のルートを辿って草津の町へ登っていくことになるはず。

今回は万座ホテルジュラクをチェックアウトして草津を目指すので、白根の方から下りていくパターンだ。まず万座の温泉街を離れて県道466号を登る。典型的なくねくね山道で対向車もそこそこあれど道路幅はまあまあだし落ち着いて運転すればなんとかなる。

しばらくすると草津~志賀を結ぶ国道292号にぶつかるので右折。ほどなくしてレストハウスが現れたから一時休憩。本来なら遊歩道を通って湯釜を見に行くことができるのだが、噴火警戒レベル1が発令されているため湯釜は立入禁止、遊歩道も通行止めになっている。
白根山 湯釜方向
かわりに道路を挟んで反対側の丘に登って弓池を展望した。こちらは湖畔に木道が付いていて散策できるみたい。ただし熊出没注意。
弓池

草津温泉街散策を兼ねつつ

レストハウスを出て少し走ると長い長いくねくね下り坂が始まり、途中に草津温泉街と思われる下界を一望できる見晴し台があった。天気が良ければいろんな名峰が目に映ったんだろうなあ。
草津一帯を展望する見晴台
そうして万座から40~50分で草津に着いた。スキー場に近い天狗山第1駐車場に止めれば無料だし西の河原露天風呂まで最短という恵まれた位置。ただし行きは下って帰りはきつい登りとなる未舗装遊歩道を通らねばならない。迷って日和ってバスターミナル近くの湯畑観光駐車場を利用した。2時間600円。目的の露天風呂までは主に平坦な温泉街の路地を徒歩10分ちょい。

前半は草津の温泉街をぶらぶら歩き、後半は西の河原公園内を散策しながら進む。露天風呂の前に着くとなかなかの盛況ぶりを思わせる数の客がたむろしていた。平均年齢は若い。いつもの温泉めぐりだとまず目にしない客層だ。他には伊香保城崎くらいかな。


広さと輝くお湯の色は並ぶものなし

西の河原源泉でなく万代鉱源泉を引湯

入口で料金を払って中へ。700円。すぐに男湯(右)と女湯(左)への分岐があり、その手前に100円リターン式の貴重品ロッカーが設置されている。脱衣所のロッカーは100円戻らない式だから荷物がたくさんでなければここを利用するのが吉。

男湯の脱衣所に入ると靴用のビニール袋が置いてあって「服と一緒に棚にしまっておきましょう」的な注意が書かれている。ちょうど若者グループの一人が下駄箱に入れておいた靴(旅館の下駄?)をパクられて途方に暮れている場面に遭遇した。かわいそうに…しかし何をしてあげられるわけでもなく…ここでは注意書きにしたがうべきだなと肝に銘じたのであった。

掲示された分析書によれば「酸性-塩化物・硫酸塩泉」とのこと。源泉名は万代鉱源泉。西の河原源泉ではないから、公園内のあちこちで湧き出ているのが見られるアレを引いているわけじゃないってことだ。加水あり、加温・循環・消毒なし。

わかっちゃいたけど、めちゃくちゃ広くて驚く

脱衣所を出たらすぐに屋外の岩風呂。一面に広がる景色が全部露天風呂だから圧倒される。こりゃあ広いわ。いったい何人まで入れるのか、想像もつかない。100人って言われても違和感ないな。

かけ湯をして奥へ。適当なところで本格的に湯中へドボン。あ、熱い。これは熱いぞ。草津だから覚悟はしていたけど長湯で粘るような温度じゃない。強い酸性だから湯に直接触れる時間はそんなに長くない方がいいと思えば、まあちょうどいいか。

あまりに広いため客が15名ほどいたところで全然密になりようがない。各自・各グループがそれぞれ好きな場所を陣取っていた。自分は中央奥へ。

草津の湯の効能を試すべく痛みに耐える

お湯はクリアな緑色。湯畑で目にする白っぽく濁った緑とはまた違う、不思議なくらいに淡さや濁りがなくて輝くような濃いグリーンである。まるで絵の具を溶かしたかのようだ。岩の中でお湯が触れている部分も緑~黒に変色している。おそるべし。

ちょうど運転中にヘマをして擦り傷を作ってしまってた。案の定、酸性の湯が傷にかかると、うわ~しみる! でも草津の湯ならすぐに傷が癒えると信じて、我慢して少しずつ慣らしていった。頼むで~。

湯口はまるで滝のよう。少し高い位置からザバァァァーーッと大量に流れ落ちている。まあ豪快だこと。当然ながら周囲は塀がめぐらされていて眺望はない。けどあまりに広いから開放感はMAX、空の広さは十二分に堪能できる。

各自好きな体勢ですごす

うーん、お湯も熱いが日差しも暑い。ちょっと避難したいな。あたりをキョロキョロすると一番奥に屋根付きの空間があった。なんだかよくわからんが、軽い立ち姿勢で膝上くらいまでが湯に浸かる体勢になれる(それが本来の利用法なのかどうか知らない)。日陰+多少のクールダウンをするにはいい。

あと浴槽内に岩とか木製の台(?)とかが配置されていて、とくに後者の台の上にあがってクールダウンしたり寝ころび湯風のスタイルをキメている人がいた。まあ本当に各自好きなように過ごしていますわ。

自分もあちこち移動しながら好きなように過ごして(熱いからお湯の外に出ている時間も長かったが)、40分くらいで切り上げて出た。心なしか擦り傷も治ってきたようだ。その他お肌のトラブル系の原因もすべて強い酸性泉によって滅殺されたことだろうし、体表面に取り付いたウイルスは死滅待ったなし。どうだまいったか。わっはは。

 * * *

西の河原露天風呂は、玄人好みのする温泉目当てというよりはベタな観光スポットとして認識されてそうだし、実際そういうノリの客が目立ったけど、一度は行ってみるべき温泉といえよう。あの広さは衝撃的だし緑の熱いお湯が強い印象を残す。

限られた時間でいかにも草津的な体験をできたので個人的には満足です。


おまけ:湯畑と西の河原公園

草津といえば湯畑。西の河原露天風呂へ行く途中に通りかかったので撮影した。やっぱりこの風景は欠かせないでしょう。
草津 湯畑
こんなご時世でも相応に多くの観光客でにぎわっていたのは草津のブランド力のなせるわざかね。客層が若いってのは今後を考えると強みですな。お土産屋が立ち並ぶ西の河原通りのおまんじゅう配りおじさんも健在。

西の河原公園は、こんな風に草も生えない砂利の河原がポコっと広がる中に、ところどころ緑の湯が溜まってできた池のようなのがいくつもある。
西の河原公園
さすがに風呂として全身浸かってる人はいないが、足湯用に整備されている池がいくつかあって利用している人はいた。このお湯は西の河原源泉なんでしょう。