温泉好きはひのき露天風呂を目指す - 阿字ヶ浦温泉のぞみ

阿字ヶ浦温泉のぞみ
晩冬の茨城遠征の帰りに那珂湊に寄っていこうと考えた。魚がうまそうだし、とくに冬ならアンコウ鍋なんか良さそうだ。探せば一人前から出してくれるお店があるんじゃね? ようし、おじさん食べまくっちゃうぞ。

…あかん。旅館の食事でもうお腹いっぱい。ちょっとしたつまみ系ならともかく、アンコウ鍋やら海鮮丼やら絶対に入りません。すっかり戦意喪失していたが那珂湊へ行くだけは行ってみよう。近くに立ち寄り温泉のあてもあったし。

阿字ヶ浦温泉のぞみ。海水浴場から近く、海の見えるお風呂が売りの日帰り施設だ。はっきり天然温泉だと確信が持てるのは露天風呂の1箇所だけだったけど、結構な源泉感があってなかなかのものである。湯船の数は豊富なのでいろいろ試したい方に向いている。

阿字ヶ浦温泉のぞみへのアクセス

鉄道+徒歩でも十分にアクセス可能と思う

もし鉄道利用なら、JR常磐線・勝田→ひたちなか海浜鉄道・阿字ヶ浦→徒歩700mなのでアクセスに大きな難点はないはず。今回は車で行ったので接続の利便性はちゃんと調べてないが。

さて、常陸太田の宝来館の温泉に浸かって体調改善のきっかけをつかんだおじさん、レンタカーで機嫌よく那珂湊へ向かっていた。時間が余り気味だったから、とりあえず最初に酒列磯前神社へ行ってみようとカーナビをセット。

カーナビの指示にしたがって海へ出るまでひたすら西進。それから海に沿って南下すると、途中の東海村で原子力科学館の看板を発見。あ、これは見てみたい。急きょ予定を変更して原子力科学館を見学することにした。鉄道旅をやめてレンタカー旅にした判断がここで生きた。
東海村 原子力科学館

東海村の原子力科学館に寄り道

ちょうどリニューアル中で見学できるのは一部の展示のみ。まあそれでも色々と興味深いものはあった。下の写真は、はるか昔の受験期を過ぎたらすっかり忘れてしまった元素の周期表。語呂合わせで暗記してたはずだけど、もう覚えてないわ。
元素周期表の展示
体験型は1階フロアに集中してる。電磁力で金属球を加速させて何周させられるかの体験ゲームはハマり要素がありそうだった。ちなみに数回トライして全然だめ。お話にならず。

宇宙~原子のスケール変化、あるいは太陽と地球の距離や原子核と電子の距離を実感させる展示はいいね。他にも放射線を観察できるウィルソンの霧箱なんかもある。2階フロアは原子物理学で偉大な功績を残した科学者の紹介コーナー。スペースがもっと広ければ原子論のデモクリトスから始めることができたかもね。

原子力科学館で時間を費やしたから阿字ヶ浦温泉のぞみへそのまま直行した。ざっくり阿字ヶ浦海水浴場を目指せば迷うこともなくたどり着けるだろう。


海を展望しながら入れるお風呂あり

自家源泉ってやつですか

建物の外観は「ん?」と心に引っかかりを作るような雰囲気がある。なんと言ったらいいか、ファンシーっていうのも変だな。まあとにかく機能性だけの素っ気なさではない感じ。そして2階に上がったところが正面入口。しかし入口手前の「この下1504mが源泉です」という立て札をみていったん確認しに下りた。これか。
ここが源泉の場所
じゃあその源泉をとくと楽しませてもらいましょうか。靴を入れた下足箱の鍵をフロントに渡してバーコード腕輪を受け取る。よくある一括精算できる仕組みだね(基本は平日900円・土日祝1150円)。フロントの先には源泉を観察できる一角があった。飲泉所ではなく単に見るだけです。
源泉を観察できる展示
岩を変色させるほどの茶色いお湯ってことだな。ああ早く浸かってみたい。と、焦りは禁物。隣には休憩コーナーがあり、阿字ヶ浦の海が見えるようになっていたからチェックしに行った。ガラス窓にスマホを押し当てて撮影。
休憩コーナーから見える阿字ヶ浦の海
ちなみに休憩コーナーにはたくさんのコミック本が置いてある。

内湯は温泉じゃないかもしれない(根拠なし)

いよいよ大浴場へ。3階への階段を上がると通路が左右に分かれる。左側が男湯だ。脱衣所では100円リターン式のコインロッカーを使うから小銭の用意を忘れずに。掲示された分析書には「ナトリウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、低温泉」とあった。加水なし、加温・循環・消毒あり。

浴室の右手にかけ湯と8名分の洗い場。椅子がポータブルなやつじゃなくて大きいサイコロみたいな石なのがユニークですな。

あとはサウナと水風呂と、残ったスペースの大半を閉めるのが内湯メイン浴槽。10名くらいはいけそうなサイズだ。外から丸見えにならないようにガラスに模様を入れてあるが、先ほど休憩コーナーで見たような海の景色を見ようと思えば見られなくもない。

お湯は完全に無色透明だった。ちょっと塩素臭もあるし、うーん、こいつは温泉じゃなくて沸かし湯かもな。一応温泉目当てで来たので短時間で切り上げて露天エリアへと出ていった。

ひのき露天風呂は温泉感ばっちり

露天エリアにはまず一人用の陶器風呂が2つ。ここのお湯も透明だ。片方にちょろっと浸かって終了。その奥に6名サイズの岩風呂があった。2割ほどの部分が浅く作られている。普通ならメインを張れるポジションのはずだが…ここも透明な湯。だからって非温泉だとは限らないが、1階で見た源泉のようなのを求めてしまうからね。

続いては水風呂と、八角形の小屋風のプチ洞窟風呂。半身浴的に入るやつ。暗くてはっきりしないけれども、ここも透明湯ぽい。

救世主は一番奥にいた。屋根付きのひのき風呂だ。このお湯だけは明確に温泉とわかる。クリアな黄色を呈していたからだ。かつて同じ茨城で体験した五浦観光ホテル別館大観荘のお湯を思い出させる色だ。ついに求めていたものを見つけたぜ。

浸かってみるとやや熱めの適温。低温泉とはいえ冬だから頑張って加温しているんだろうか。個人の好みをいえばもっとぬるくてもかまわない。ぬる湯に長く入るのが好きなんでね。お湯の中に木くずのような小さな粒が漂っているのは湯の花か。

そしてお湯の匂いを嗅いでみたら塩素臭は感じず、ちょっと焦げ臭の印象があった。いいですな。大半の客はいろんな湯船を巡回して楽しむんだろうが、自分はもうここ固定でいいや。なぜかあんまり人来ないし。なお海が見えたりといった眺望はない。

展望露天風呂に人気集中か

最後に紹介するのは展望露天風呂。景色を見ながらぬる湯にゆっくりどうぞと書いてあったし、最初「おおっ?!」と色めき立って偵察してみたところ、残念ながら透明湯に見えた。

加えて手前に待合コーナーみたいなのがあって、展望露天風呂に一人いたら次の人は待合コーナーで待機、という流れができあがっていた。疑似貸し切り制かいな。そしてたいがい待ち人が詰めている状態だったため「こりゃノーチャンスだな」とサクッとあきらめた。なので詳細な様子はわかりません。

源泉感の強い奥の露天風呂でほとんどの時間を費やし、滞在50分ほどで退館。高張性の強塩泉だけあって湯あがりは結構ポカポカする。

その気になればアンコウ鍋の野望も達成できちゃう

当館のレストランでは冬季には一人前からアンコウ鍋を提供してくれるそうだ。ああ、我が胃袋がもっと収容力を持っていれば…。帰りがけに那珂湊おさかな市場へ寄ってみて、いろいろ魅力的な魚介にあふれていたものの、やっぱりガッツリ食べる余力はなく、回転寿司を数皿が精一杯であった。ぐぬう。

いつか那珂湊でアンコウ鍋をリベンジしたい。それが今ののぞみです。