災い転じて福となす、だったと思いたい2021年

アマビエのお詣り
2021年が終わろうとしている。世間的には前年の騒動を引き継いで騒ぎ続けてたら終わってしまった1年だったと言えるのではないか。オリンピックとかあったみたいだけど、ずいぶん昔のことのように思える。というか、そんなのあったっけ?くらいの淡い記憶になっている。むしろ本当はなかったんじゃないか説。

そんな面白きこともなき世を面白くすみなすものは己の心なので、ひるむことなく十分な対策を取り、行ける範囲で温泉に行った。むしろ例年よりもあちこちに行ったんじゃないかな。おかげさまで温泉未踏県をごっそり減らすことに成功し、47都道府県コンプリートが見えるところまできた。

2021年は暗黒のスタート

今年はまずコロナの第3波で幕を開けるという厳しいスタートとなった。前年暮れからもう「旅行はやめとけ」の圧力が周囲からかかってくるし、まあ中止しましたけど、GoTo停止からの緊急事態宣言が急展開すぎて。

首都圏なんか宣言を延ばしに延ばして3月まで引っ張ったからね。なんもできねえ。もし長年温泉一筋でやってきてたらどこへも行けずにストレスを溜めまくっていたに違いない。昔の趣味を復活させてスカイリム(海外のオープンワールドRPGゲーム)を再プレイしてハマることができたのは幸いだった。スカイリム世界を旅することで暗黒の2ヶ月をやり過ごせた。

今から思えば、ゲームに注力するかわりに仮想通貨の盛り上がりに気づいてそっちに注力できていたなら(旅行やゲームの代わりにそうするだけの時間的精神的余裕はあったはず)、今頃はウハウハだったのにね。年初の時期を逃してからの参戦だと大きな含み損も覚悟のジェットコースター相場だもんなあ。入りづらい。

自分があとから遅れてバスに乗るタイプだからしょうがない。コロナショック後の株の絶好の買い場も逃してしまった。iDeCoもNISAも長期投資に十分な期間をもう取れない年齢だから厳しい戦いだ。淡々とインデックス投資に徹したとしても日経平均や2000年代のS&P500みたいなトレンドに翻弄されたらかなり辛い。特定口座で個別株やレバナス勝負する胆力もないし。


とても良いきっかけになったシリーズ企画

まあとにかく。春になってようやくポツポツと温泉旅行を再開し始めたが、当時はまだ各地で「首都圏の人は来ないでください」的な雰囲気が根強かったり、こちらも気を使って、地元民が通う小さな共同浴場は避けようかとか、ぎこちない手探り状態が続いた。

思い出深いイベントのひとつに、温泉とは無関係なのを承知で沖縄の波照間島へ行った、てのがある。人が住む土地としては日本最南端。条件が合えば南十字星が見えちゃったりもする。興味はあっても自分ひとりじゃ絶対に行動を起こすことはなかったであろう。お誘いに乗っかる機会を得たことが大きい。

波照間島ツアーは、よく一緒に旅行する仲間内の「人生で一度は行きたいシリーズ」企画から実現したものだ。たしか数年前の居酒屋での雑談から生まれた企画。単なるノリの与太話では終わらずに賛同者を集めて計画を立てて実行するサイクルを回すところまで育ってしまったのは我ながらすごい。年を取ってくると、介護問題や自身の健康や経済事情その他の縛りで身動き取れなくなる前にやりたいことをやっておかないと、という気分が強くなるのよ。若い頃なら逆に与太話で終わらせてた可能性が高い。

同じシリーズで道東上高地紀伊半島など、単独では何年かかっても実現にこぎつけられなかったであろう案件を次々とクリアしていった。すんばらしい。


一人旅の方も快調に進む

一方で第4波・第5波が来て、年初から秋にかけての首都圏は大半の期間が緊急事態宣言下という異例の状況となった。もはや緊急じゃねえ。日常だよ。こうなると皮肉にも緊急の重みが薄れてしまう。テレビ番組を中心にいろいろと悲観論や脅しを浴びせてくるが、おかげさまでちっとも心に響きません。オオカミ少年でしょ、あれは。※自分はコロナをただの風邪とは思ってなく諸対策はするし反ワクチンでもありません。

しかし世間の平均値的には萎縮とヒステリーが拡大したこともあってか、上記シリーズ企画以外だと旅のお誘いや要望が発生しなかった。そこで自分がまだ行っていない温泉未踏県をクリアするという野望の優先度を上げて、山陰北陸への一人旅を実行に移すことができた。例年だったら後回しにして塩漬けになるパターンだろうから、ある意味2021年ならではの展開だったと言える。

本記事公開時点で未踏県はあと3つ。いやーようやくコンプリートが見えてきた。10以上残っていて優先度上げられなかった頃は長大なライフワークになるかと思っていたが、今年一気に消化したのは大きい。なにか身動き取れなくなるような事情ができない限り、数年内に手が届くだろう。よっしゃよっしゃ。

そんなわけで温泉めぐりの観点では大きな停滞もなく、むしろ良好に進捗したようにも思える年だった。来年も諸対策を取りつつ、無謀な行動は慎みつつ、行ける範囲で温泉に行こうと思う。まだ見ぬたくさんの温泉が待っている。日本は、世界は、広い。それでは良いお年を。