静かな阿寒湖、野湯多い屈斜路湖、ブルーと霧の摩周湖

屈斜路湖 砂湯
道東---さいはてロマンを抱いてしまう地のひとつであり、日本離れした風景が見られるのではないかと期待してしまう。行ったことがあるにはあるけれど、超大昔のことでかなり淡い記憶になっている。現在の目線だとまた違った印象を受けるのかもしれない。

そんな超久しぶりの道東へ温泉系のメンバーで行くことになった。この顔ぶれなら単なる観光だけでなく温泉めぐりの観点でもいろいろ体験できそう。楽しみだ。

初日から2日目にかけて回ったのが阿寒摩周国立公園エリア。阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖の三銃士が並び立ち、自分の世代だとマリモ・クッシー・霧というキーワードに結びついている。今もそうなのかな。まあそれはそれとして、3つの湖めぐりを中心にまとめてみた。

第1章:屈斜路湖

パノラマ風景が有名な美幌峠

北海道は広い。羽田から新千歳空港へ飛んでから列車で道東へ移動したら相当に時間がかかってしまう。素直に女満別空港へ直行してレンタカーを借りた。さくっと朝日ヶ丘公園を経由してから向かったのは美幌峠展望台。屈斜路湖を見下ろすパノラマ風景で知られる。快晴の空だから期待しちゃうね。

…美幌峠に近づくと突如もくもくと霧が発生してあっという間に視界が悪くなった。いつもの自然さんの嫌がらせ。ひでえ。駐車場で車を出ると晩秋のような寒さだったから、ここだけ極端に冷たい空気が滞留していたせいだと思われる。朝ドラでいうところの「空気が冷やされると水分を含んでいられなくなって水滴を発生する」現象か。
道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠
せっかくの屈斜路湖もまともに見えません。でもまだだ、まだ終わらんよ。先にレストハウス(道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」)の食堂でランチして時間を稼いでいる間に少しだけ状況が改善した。
美幌峠から見た屈斜路湖
屈斜路湖はスマホの通常撮影では収まりきらない広さ。湖の中央に見える中島も相当に広い。画像よりもぜひ現地で実際のスケールを体感していただきたい。霧がないことを祈る。

掘ると温泉が出てくる砂湯

お次は峠を下って屈斜路湖畔の砂湯。一見すると砂浜なのだが、あちこちに掘り返されたくぼみがあり、くぼみの中に温泉が溜まっていた。お湯を触ってみるとそこそこ熱い。
砂湯
自分で砂をかき分けてみたら、すぐに底の方からジワッとお湯が滲み出してきた。へー、こんな簡単に温泉が湧いちゃうんだ。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉らしい。近くに飲泉所あり。ただし当時は枯れていてお湯が出ていなかった。
砂湯の飲泉所
巨大な穴を掘って全身浸かるわけにはいかないけれども、くぼみのそばにベンチが置いてあって足湯を楽しんでいるグループはいた。なかなか興味深いスポットだった。湖の景色&温泉の観点からは外せないね。

コタン温泉は実際に入ってみた

ここでいったん話が翌日に飛ぶ。屈斜路湖畔には砂湯の他にも温泉の湧いている、いわゆる野湯がある。それらのうち、池の湯温泉露天風呂・コタン温泉露天風呂・和琴温泉露天風呂へ翌日行ってみた。まず池の湯温泉は結構大きい露天風呂で一部が湖とつながっている。男女別脱衣小屋あり。
池の湯温泉
我々の他にほぼ誰もいないが、この見られ放題の環境では入るにも勇気がいるだろう。我々はスケジュールの都合で入らず。お湯に指先を突っ込んでみたらややぬるめの温度だった。湖水とうまい具合に混ざっているのかな。

次のコタン温泉は池の湯ほど開けっ広げではなく、混浴だけど中央の岩が一応の仕切りになっている。それでも勇気がいると思うけど。男女それぞれの区画が3名サイズ、5名だと密になってしまうくらいの岩風呂。男女別脱衣小屋あり。泉質は砂湯と同じナトリウム-炭酸水素塩泉。そこそこ人の出入りがあり、撮影できる雰囲気じゃない。

ここは実際に入ってみた。体温に近いぬる湯は好みのストライクゾーン。本格的な温泉の匂いがするし、すぐ目の前が屈斜路湖でインフィニティ風呂的な楽しみもあるし、調子に乗って長湯しそうになってしまったくらい。いいですね。

和琴温泉露天風呂はすぐ近くがキャンプサイトになっていて池の湯と同じくらいに開放的だった。風呂の広さは十分。もともと入る予定はなかったし、当時は湯船の中に藻がいっぱい見られるなど、気軽に入浴できる状態でもなかった。
和琴温泉露天風呂

噴気を間近で見られる硫黄山

初日の話に戻って、お次は硫黄山。アイヌ語で裸の山を意味するアトサヌプリとも呼ばれる。名前の通りに硫化水素の匂いがすごいし、周りの山と違って草木が生えてない禿山だ。麓で盛んに白い煙を上げている。下の写真の中央に写っているのは隣の山で、左に切れてるのが硫黄山本体かと。
硫黄山の麓
こうしたいわゆる地獄地帯を各地で見てきた。中でも硫黄山は特に噴気孔に接近して観察することができる。こんなののまわりに柵もなにもないのだ。
硫黄山の噴気孔
噴気孔はシュゴーーーーォォォッというヤバ気な音を立てながらジェットバスのような勢いで白い煙を吐き出しており、ちょっと風向きが変わるとそれが自分の方へ向かってくる。そして相変わらず硫化水素臭がきつい。危ない危ない。

なお、硫黄山駐車場の利用券(500円)は摩周湖第1展望台駐車場も利用できる共通券となっている。


第2章:摩周湖

第3展望台からの摩周ブルーの絶景

ここから役者は摩周湖へ切り替わる。摩周湖を望む展望台には第1・第3・裏摩周とあり、まずはくねくねカーブの続く山道を登って第3展望台へ。高度が上がるにつれて霧っぽいところも出てきた。美幌峠の二の舞か? やっぱり霧の摩周湖になっちゃうのか?

…大丈夫でした。第3展望台駐車場は無料だけどキャパは小さめだから繁忙期には注意。そしてここは硫黄山+屈斜路湖の展望所としても機能している。一粒で二度おいしい。
硫黄山+屈斜路湖
第3展望台は今回の旅の中でも特に印象に残ったスポットのひとつだ。なにしろ霧の摩周湖どころか、くっきりはっきり、目にも鮮やかな摩周ブルーの湖面が視界いっぱいに広がっていた。こりゃすげーわ。
摩周湖
ぽつんと浮かぶ島はカムイシュ島。その奥の山は摩周岳(カムイヌプリ)。少し北寄りの方角を向くとこんな景色になる。
摩周湖その2
南寄りに目を向けるとこんな感じ。
摩周湖その3
摩周湖はそもそも立ち入りを厳しく制限されているし、火山活動によって形成されたカルデラ湖だから、周囲は急斜面ばかりで地形的にも一般人が立ち入るのは困難だ。どの川ともつながっていないから川伝いにアプローチすることもできない。そんな事情から神秘的なイメージを保ち続けていられるのだろう。

第1展望台で「霧の摩周湖」も見られた

いやー、いいものを見た、と調子に乗って第1展望台へ。こちらはやや広めの駐車場と売店・トイレがある。展望台そのものは第3と同様に見晴らしが良かった一方で、すぐ隣=ほんの目と鼻の先ほどのところまで霧が迫っていた。
摩周湖その4
やがて展望台も霧に覆われてきた。摩周ブルー&霧の摩周湖という二本立て同時上映を見物することになろうとは。自然さんの粋な計らい。一粒で二度おいしい、のか?
霧の摩周湖
ちなみに第1・第3の対岸に位置する裏摩周展望台は翌日に行ってみたが、展望台の改修工事中?…鉄パイプを組んだ仮設の展望台になっていた。
裏摩周展望台
湖に対して少し引いた位置になっているため、木に視界を遮られることもあって湖面の見え方はいまいち。工事が完了した後の新展望台はベストな位置・アングルになっていることだろう。乞うご期待。
裏摩周展望台からの景色

第3章:阿寒湖

町全体がお休み状態の阿寒湖

再び初日に話を戻して、屈斜路・摩周ときたらトリは阿寒湖。移動途中に2つの湖…パンケトーとペンケトー…を見ることができる双湖台に立ち寄ったものの、特に奥側のパンケトーは相当頑張らないと湖面を確認するのが難しい。さあ、わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ。
双湖台で見るパンケトー・ペンケトー
で、肝心の阿寒湖に到着すると、観光地としてはほとんど稼働していなかった。
  • 阿寒湖畔エコミュージアムセンター…休館中
  • ボッケ自然探勝路…熊出没につき通行止め
  • 阿寒湖遊覧船とマリモ展示観察センター…休業中
開いててよかったのはセブン・イレブンくらい。仕方がないので停泊中の遊覧船を撮影したり、
阿寒湖の遊覧船
湖岸を撮影してお茶を濁す。
阿寒湖

阿寒湖畔展望台へ

せめてそれっぽい景色だけでも見られないか、と車で数分の阿寒湖畔展望台へ移動した。冬はスキー場のゲレンデになる斜面から阿寒湖と雄阿寒岳を望むことができる。うーん、これでよしとするか。阿寒湖は以上でクリア、ってことでいいのかな?
阿寒湖と雄阿寒岳
ちなみに雄阿寒岳は双湖台近くの双岳台という場所から見ると、てっぺん付近がキリッと七三分けみたいなメリハリが付いて姿形が良く映る。
双岳台から見る雄阿寒岳
双岳台という名前からしてもうひとつの山・雌阿寒岳も見どころのはずだけど、当時はちゃんと意識してなくて見逃しました。でも雌阿寒岳はオンネトーで素晴らしいのを見たからオッケー。その件はまた後ほど。