洗練感と濃ゆさのクロスオーバー - アクアイグニス武蔵野温泉

アクアイグニス吉川美南(武蔵野温泉)
冬こそ温泉の季節だと思いつつ、関東南部の人間が慣れない雪を避けようとすると行ける範囲が限られてしまう。車を活用するつもりだとなおさらだ。だからって伊豆と房総ばっかりに偏っちゃうのもな~、と妙なバランス感覚を発揮して迷っているうちに1月が終わろうとしていた。

あかん、このままじゃ動かざること山の如し。きっと大きく構想しようとするから行き詰まるんだ。いっぺん小さくまとまろうじゃないか。東京郊外の日帰り温泉への往復、ただそれのみとする。

探してみたら埼玉県吉川市のアクアイグニス吉川美南にビビッときた。ショッピングモールの中にある「食」と「癒やし」をテーマにした施設で、武蔵野温泉なるお風呂屋さんを備えている。ぬるい源泉風呂がよろし。

アクアイグニス武蔵野温泉へのアクセス

ようするにイオンタウン吉川美南

吉川といえば5年前に「吉川天然温泉ゆあみ」という施設へ行ったことがある。強烈な薬湯が印象に残る。またお隣の三郷市「早稲田天然温泉めぐみの湯」は濃ゆさ抜群の超本格温泉であった。久しぶりにこのエリアを訪れるきっかけがアクアイグニスってわけだ。

JR武蔵野線の吉川美南駅から徒歩5分だから電車でアクセスしやすい。でも運転の練習も兼ねて、あえて車で行くことにした。首都高・外環道を利用するなら三郷ICがとりあえずの目標になる。もちろん下道オンリーでも全然かまわない。

実際のところイオンタウン吉川美南へ行くのと同じことだ。だってイオンタウンの中にある施設だもん。車はイオンタウンの駐車場に止めればいい。
イオンタウン吉川美南の駐車場

ショッピングモール慣れしてないおじさん、中で迷う

上の写真でデカデカと「AQUAIGNIS」の文字を主張している建物は立体駐車場。この写真の撮影ポイントの背後くらいのところに当湯の入口がある。最初は気づかなくてイオンタウンの本館(東街区)に入ってしまった。ぼっちおじさんには居場所のない郊外型ショッピングモールの雰囲気をものともせず、館内を突き進む。

東街区2階に「武蔵野温泉→」の標識があって、目を向けた先には普通のフードコートとは違う、ちょっと奮発した感じのレストラン街あり。
奮発した感じのレストラン街入口
ここが食をテーマにしたエリアかな。金沢系のお寿司屋さんには惹かれたが…ちょっと財布事情に見合わず…普通のフードコートの方で普通のチャーハンを食べました。

再び奮発レストラン街へ向かい、そこを抜けて屋外へ出てからエスカレーターで1階へ下りると、冒頭写真のような入口があった。なんだ、駐車場からすぐじゃん。ずいぶん遠回りしちゃったんだな。


総合力でなかなかうまくやっている温泉

館内にも「食」を楽しめそうなコーナーあり

入ってすぐに靴ロッカーあり。受付では靴ロッカーの鍵と引き換えに精算用腕輪を受け取る。入浴料ならびに内部での購買は帰りに一括で支払うようだ。ちょっとしたお土産コーナーや(草加せんべいがあったような)、コミックを中心とする図書コーナーを兼ねた湯あがり休憩処あり。しかも奥には食事処まであるじゃないか。
温泉館内の食事処(手ブレしちゃった)
そこでも金沢系のメニューを提供していた。お高めだけど寿司と比べたら許容範囲。しまった、普通のフードコートで普通のチャーハン食ってる場合じゃなかった。痛恨なり。電車で来て、湯あがりに食堂で金沢系つまみとビールってのはありかもしれない。

では男湯へ。脱衣所には鍵付きロッカーが大量に並んでいた。一括清算スタイルだけに100円などのコイン投入は不要。掲示されている分析書によれば「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、高温泉」。ああ、三郷めぐみの湯と同じだ。加水なし、加温・循環・消毒あり。

ぬるめでお湯のクオリティも良い源泉風呂

浴室はそれなりに広くて27名分もの洗い場があった。内湯には浴槽が3つ。それぞれに湯温を表示するLED表示器が付いている。

手前にあるのが「源泉風呂」と書かれた浴槽で、4名までは余裕をもって入れる。間隔を詰めれば6名いける。湯温は39.8℃と表示されていた通り、いい塩梅のぬるめ。表示上の数字よりもぬるく感じるから、かなり長時間浸かったままでいられる。これはいい。

お湯はオレンジの色味が加わっているようにも見える明るめの黄土色であり、すっかり濁って浴槽の底はまったく見えない。最初ちょっとだけ粘土のような匂いを感じたが、次第に意識しなくなっていった。土気臭・金気臭・アブラ臭が控えめなのは、立地と客層を考えたらベターだろう。

ぬるいお湯にじっくり浸かるのを好むおじさんとしては、もうこの湯船だけで満足ですわ。出たくねーって感じ。週末の昼下がり、混んでいるかといえばそうでもなく、源泉風呂には自分以外に0~2名ってところ。周りを気にすることなく飽きるまで入ることができた。

メインの内湯はやや熱めだがお湯は良い

続いては隣の「温泉」と書かれた浴槽へ。なんら問題なく向かい合わせになれる幅があるから2名×5組=10名は入れますな。湯温表示は42.0℃。ああたしかに適温だ。温度の面でこちらを好む人も多いだろうね。お湯の質が源泉風呂とどう違うかは正直わからない。両者を行き来して温度差を楽しむのも一興。

3つ目の浴槽は透明なお湯だったから「白湯かな?」と思って避けてしまった。正体は結局わからずじまい。湯温表示は41.0℃。

露天風呂と寝ころび湯もあってばっちり

露天風呂もありんす。屋根付きで10名くらい入れそう。お湯は透明に近いながらも、うっすら褐色味があるから一応温泉なのかな。湯温表示はなくて、体感的に41℃くらいか。誰もいないときもあれば、数名のグループが2組同時にいたりする局面もあって人口密度に波がある。

うっかり見落としそうな端っこの方には寝ころび湯コーナーがあった。左右に5名ずつの区画が用意されている。不思議なことに、向かって右側は床や仕切りがきれいなのに、左側は温泉の析出物とみられる茶色がこびりついていた。どっちを選ぶかといえば…そりゃあ左側でしょう。

独占状態の中、寝ころんでみると、ややぬるいお湯が背中を通っていくのが気持ち良い。真冬でもちょうどいいわー。ちょっと体験したら退散するつもりだったけど、予想外に気に入ったのでずいぶん長居してしまった。

それから内湯へ戻って源泉風呂にロックオン。あっという間に1時間が過ぎた。高張性なのにこんなに長く入ってて大丈夫かなあ。

 * * *

ショッピングモール内で濃ゆさを意識させる温泉に入れるという意外性。食をテーマにした施設が用意されているから、湯あがり後の楽しみもある。もうひとつのテーマ「癒やし」についてはチェックしなかったけど、ミネラルミスト浴やボディケアサービスのことだと思われる。

新しくてきれいな施設だから万人向きの安心感がある。ハード面・周辺を含めた総合サービス面・お湯のクオリティのバランスが取れた、なかなかの穴場ではないだろうか。