VIP気分の夜はぬるめの湯で - ロジワール スパタワー那覇

ロジワール スパタワー那覇
草津や別府や有馬に代表されるイメージの温泉地が沖縄にあるかというとよくわからないが、温泉浴場付きホテルなら那覇にもある。そのひとつが「ロジワール スパタワー那覇」。ちょっと高級めのロジワールホテル那覇に隣接する広い温泉浴場付き別館とでもいえばいいだろうか。

最初からうすうすわかっていた通り、温泉のためだけに泊まるにはもったいないグレードのホテルであった。いつか宝くじを当てて月に一度くらい「自分へのご褒美」とかいって通い詰めたいぜ。

肝心の温泉もなかなかあなどれない。とくに露天風呂がぬるくなっていたのが個人的にはスマッシュヒット。冬場だったおかげかもしれないけど。

ロジワール スパタワー那覇へのアクセス

三重城のつもりでいればOK

ロジワールスパタワー那覇の場所は史跡・三重城とほぼ同じと思って良い。那覇空港からの直線距離は本当に近いが、車だと途中の川を渡る都合上、旭橋の方から回り込むにしても、トンネル通って波の上ビーチ付近から引き返すにしても、10分弱ほど走ることになるようだ。

空港からゆいレールに乗る場合は旭橋で下車。この駅近くには那覇バスターミナルがあり、各地向けの路線バスが集結している。観光めぐりに利用する方も多いだろう。自分は南城市のユインチホテル南城へ立ち寄り入浴するためにバスで往復し、夕方にバスターミナル→旭橋駅まで戻ってきた。

駅から海の方へ向かってひたすら歩く。着きそうでなかなか着かない。15分程度みておいた方がよさそう。

夕食はアドリブで何とかする

ちなみに予約したプランが夕食なしだった。夕食付きなら世話ないが、おひとり様だと選択肢がなかったのか、このご時世で夕食付きが提供されてなかったのか、単にお値段の問題で諦めたのか、もう覚えていない。

とにかく夕食をとるのにちょうどいいお店候補を探しつつ歩いていった。結果的には見当たらず。一人でバーとか居酒屋とか入り慣れてないから気後れしちゃうんだよね。

道のつきあたりになってるところに当ホテルがある。2つある建物の手前側がスパタワーとして運営される別館(イースト館、冒頭写真)。

で、奥側の建物がロジワールホテル那覇の本館(下の写真)。当時はスパタワー客も本館フロントでチェックインを受け付ける体制になっていた。
ロジワールホテル那覇 本館

贅沢気分に浸れるスタイリッシュホテル

よろず取り揃えた全方位型

スパタワー客は本館内も自由に歩き回れるので、以下では本館とスパタワーを区別せずに描写します。洒落た雰囲気のロビーではクリスマスツリー(だよな)がお出迎え。
ロジワールホテル那覇のロビー
さらにシャレオツなリゾート風テラスも見える。青空でないのが残念。
ロジワールホテル那覇のテラス
館内に小さめのセブンイレブン店舗があるし、わりと大きめのお土産売り場もあった。
お土産売り場
その他、プール(夏季)・エステ・フィットネスジム・定番の結婚式対応など。普通なら温泉おじさんが単身で泊まりに来るようなホテルではない。今回ばかりは場違いを許してほしい。

ゴージャスすぎる部屋に浮足立つ奴

本館2階と別館3階はスタイリッシュな通路でつながっている。壁には海を題材にした写真家の作品。
本館とスパタワーをつなぐ通路
別館側のエレベータで自分の部屋がある12階へ。11階と最上階である12階へ上がるためのボタンは、なんと、部屋のカードキーをかざさないと作動しないロック機構になってた。気分はVIP待遇ですな。

さらに部屋に入ってびっくりぽん。たしかに「せっかくだからいっとけ」とスーペリアツインを予約したのだけども、予想を超えてゴージャスだった。あわわわ、ちょっとやりすぎたか。
ロジワールスパタワー那覇 スーペリアツイン
ラグジュアリー感ありすぎて使いこなせる気がしない。
スーペリアツイン その2

高層階は景色も良し

シャワートイレ・洗面台・室内バスはいうまでもありませんね。金庫あり、空の冷蔵庫あり。コーヒーメーカーがあるし、ウエルカムミネラルウォーターも2本。もちろん部屋着とスリッパあり。大浴場以外のレストランなどは部屋着・スリッパ不可。和風の温泉旅館じゃないから当たり前か。

あとWiFiあり。ベランダからの景色がこちら。
ベランダから見える景色
肉眼だと向こうの海がもっと広く大きく見えて高揚感倍増。ほえー。自分がエリートビジネスマンになったような気分だ。きっと出張とかワーケーションとかでこういう部屋に普通に泊まるんでしょう、知らんけど。


スパタワーが誇る大浴場…海人の湯

なかなか広くて効き目のある内湯

温泉以外の要素でもうお腹いっぱい。でも最大の目的がまだだ。さっそく別館2階の大浴場「海人の湯」へ。部屋のタオルを持っていく必要はない。大浴場前の受付でカードキーを提示すると、タオルとバスタオルとロッカーの鍵を渡してくれる。

脱衣所入ってすぐのところに分析書が貼ってあって「含ヨウ素-ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉、高張性、中性、温泉」とあった。加水なし、加温あり、鉄分の濾過あり、消毒あり。源泉かけ流しってことになるのかな。

浴室入ってすぐにサウナ室と小さめの水風呂。右手には21名分の洗い場。そして右奥に広いメイン浴槽があった。向かい合わせになって並べば30名いけるサイズ。シーサーの口から注がれるお湯は無色透明、もしくは微濁りのような気もする程度。壁のLED表示板は41.9℃を示していた。

浸かってみると、なるほど万人向けの適温。ヌルヌルするとか泡付き・湯の花といったものはないが、塩化物泉にありがちな匂いはする。そしてあなどれないのは上がる時。なんかね、クラっとめまいがするんですよ。のぼせるほど長湯したわけじゃないのに。確実に効いている。高張性だからと勝手に納得したが。

いつ行ってもそれほど混んでないのは良かった。

露天風呂は好みのぬる湯で大ラッキー

続いて露天エリアへ出てみた。リゾートのプールにありそうな、ほとんど寝る体制になれるチェアが並び、奥に向かい合わせで10名サイズの露天風呂があった。こちらも湯口はシーサー。壁の割れ目からもチョロチョロと滲み出した源泉が入って来てるのはご愛嬌。

LED表示板の示す温度は42.9℃。おい、熱すぎないか。不安を覚えつつ浸かってみると…ぬるーい!!…これは褒め言葉である。おじさんはぬる湯が大好きなのだ。ラッキー!!

源泉投入量と湯船の大きさのバランス、そして冬の外気に触れる関係で、ちょうどうまい具合に体温より若干上のゾーンに落ち着いてくれてたんだと思う。こりゃーいいや。ここでバッチグーなぬる湯に遭遇するとは嬉しい誤算。しかも内湯と行き来すれば冷温交互浴風に楽しめてしまう。

なお露天風呂の眺望はない。塀があって、その向こうは港湾コンテナの山。なぜだか「インファマス」というゲームを思い出した。


本館にも温泉あり…島人の湯

日が暮れてから本館の大浴場「島人の湯」へ行った。こちらも受付でカードキーを提示すれば利用できる。ただし上記した海人の湯の方が使い勝手がいいことになっており、スパタワー客が来るのはよほどの酔狂とみえる。「スパタワーにも大浴場があるのをご存知ですか?」と受付で念を押されてしまった。

こちらは海人の湯の規模をひと回りふた回り小さくしたような感じ。内湯側に洗い場が8名分。露天エリアにもカランは並んでいるが数をカウントし忘れた。内湯浴槽は4名サイズ+3名サイズの2つ。お湯は適温。でもって、こちらのお湯には湯の花が見える気がするんだよな。

露天風呂に入ってみたら、より明らかだった。7~8名サイズの岩風呂に満たされたお湯の中にはしっかりと茶色い小物体が浮遊している。海人も島人も時によって湯の花が出たり出なかったりするんだとは思う。

こちらの露天風呂もぬるかった。つまり本館宿泊者もぬる湯を楽しめます。なお上空は開放的だが横はがっちり壁に囲まれていて景色は見えない。

人口密度は海人の湯より少しだけ高いものの全然密じゃない。ゆったり利用できた。


なんだかんだで沖縄の味を堪能した

夕食は人気店・ジャッキーステーキハウスで

夕食は自力でどうにかしなければならない。来る途中にピンとくるお店が見当たらなかったのでスマホで検索したら「ジャッキーステーキハウス」という有名店が近いことを知った。じゃあトライしてみるか。

問題はあまりの人気で待ち行列がすごそうなこと。口コミを読む限り60分待ちは当たり前の印象。すげーな。さすがに60分は待ちたくないけど、行くだけ行って様子を見てみよう。
ジャッキーステーキハウス
運良く10分待ちだった。それなら待てる。おひとり様も拒否せず受け入れてくれたのはありがたい。やがて4名テーブル席に通された。一人で占拠しちゃってすいませんね、無駄に長居しないですぐ出ますんで。このご時世に経済を回すべく、オリオンビール生とテンダーロインステーキを注文(ただしSサイズ)。わが胃の容量からすると150gで十分だ。

自分で味を調整しよう

ライス or パンとスープ・サラダ付き。肉の味付けを自分好みで調整するのが特徴になっており、おすすめの食べ方に従って、まずはそのままいただく。柔らかいですね。個人的にはこの状態で食べるのでもOK。
テンダーロインステーキ
これでは味がしないとお嘆きの貴兄は塩コショウをふってどうぞ。控えめに軽くふるのが自分のベスト味付けだった。これ以上味を濃くしなくていいや。

さらにはウスターソース。ステーキソースと容器には書いてあるけど、どうみてもトンカツにかけるソースの味です。はまると病みつきかもしれぬが現時点ではまだ違和感あるな。他にマスタードもあり。各自のベストを探してみよう。

沖縄料理とパンが好印象の朝食ビュッフェ

朝食は宿泊プランに付いていたビュッフェ。本館1階の宴会場「あまいろ」で朝7時から。7時きっかりに行ってみたら全然混んでなくて料理の争奪戦などは起きようもない。どんどん補充されるし。和洋どちらの組み立ても可能な中で取ってきたのがこれ。
ロジワールホテル那覇の朝食ビュッフェ
パンは小ぶりだがやたらうまい。珍しくおかわりしようかと思ったくらいだ。右上のやつはジーマーミ豆腐。沖縄料理は充実していて、取ってきた中に紫芋・沖縄さつま揚げ・スパム・ラフテー・あと名前忘れた。

他に数種類用意された沖縄そばや、もずく・お粥・味噌汁なんかも沖縄スタイルのようだし、全部を試すのは無理だろうってくらいにある。大食いとは言わないまでも人並みの量を食べられる体質なら良かったんだけどねー、残念。もっと食べたい気持ちだけはあった。

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沖縄の温泉宿に泊まる体験をしたいからという、ある意味歪んだ目的のために、エリートビジネスマンじゃないのに泊まってしまったロジワールスパタワー那覇。普通に考えて一生に一度きりのことだろう。

しかし夢を見るのは自由だ。なんか知らんが降ってわいた幸運でビッグマネーをつかんで毎月通える身分になりたいものだ。スーペリアツインで優雅に過ごし、ジャッキーステーキハウスでテンダーロインを食し(ただしSサイズ)、朝は沖縄料理とお気に入りのパン。

滞在中の主旋律はもちろん温泉。露天のぬる湯に浸かりまくるのだ。…すっかりリフレッシュしたら、帰ってからいい仕事できるんじゃないの。エリートじゃないけど。