温泉に行きたくなった話 - わが温泉旅・序章

このブログを立ち上げるきっかけとなった温泉一人旅。自分にとって新しく始まったばかりの趣味である。一人でそんなことして何が楽しいの? と思われるかもしれない。

しかし、世の中にはそういう趣味を楽しんでおられる方がそれなりの規模で存在するようなのだ。あくまで「自分の場合は」という限定付きだが、温泉×一人旅の世界へ入っていった背景を述べてみたい。

そうだ、温泉に行こう

湧き上がるお湯、じゃなくて思い

もしも自分年表というものがあったとしたら、2016年の欄には「猛烈に温泉に行きたくなる」と記されることだろう。それくらい、なんだか無性に温泉へ行きたくなった。もっと正確にいうと、温泉宿でのんびり過ごす、ただそれだけの旅をしてみたくなったのである。

むろんこれまで温泉旅行の経験がなかったわけではない。年に一度くらいはあったと思うが、旅のメインはあくまで観光地を巡ることや、参加メンバーとの懇親であった。宿は一夜を越す中継地、温泉は旅のついでのサブイベントに過ぎなかった。

温泉マニアではない大半の人がそんな感じじゃないかと思う。

戦士には休息が必要だ(言い訳)

ところが心境に変化が訪れる。きっかけは仕事面や体調面が芳しくない状態におちいったことで、以来テンションは公私ともに下がりっぱなし。なんかこう、頑張ろうとするほど空回りして、そのうち頑張る気力も失せてきた。

そんな状態に悶々としていたあるとき、開き直ってひらめいた。

やる気を出さなきゃと無理にあがいてもしょうがない。思い切って日常を離れてリフレッシュすることがいま必要なことではないのか…そして導き出された結論はこうだ…「遠くの街で温泉につかって、あとはずっと旅館の部屋でうだうだと過ごしてみたい。」

なんの脈絡もない発想だが、どうしてだか思いついちゃったのだ。

経済合理性を越えて

考えてみれば、決して安くはない交通費と宿泊費をかけ、ときには休暇まで取って、わざわざ遠くまで出かけていって何もしないで過ごすなんて、ある意味最高の贅沢といえまいか…うむ、だんだん興味が湧いてきたぞ。

よし、本件に限ってはMOTTAINAI精神はナシだ、コスパとか有意義とか、どうでもいい。ミー、やっちゃいなよ。

そう決めた途端、かたくなにオフの位置に張り付いていた「やる気スイッチ」が久方ぶりのオンに切り替わったのであった(ただし温泉関連の事柄のみ)。ようし、おじさん、やっちゃうぞ。

一般的な観点でいえば「無駄が多い」「もったいない」「楽しさがわからない」だろうから、こんな旅に誰かを無理に付き合わせるわけにはいかない。もともと一緒に行くような人もいなかったが。よって必然的に一人旅になる。


ネットで検索しまくる

詳しくはWEBで

まずやるべきことはリサーチだ。こちとら温泉マニアでもなければ旅のエキスパートでもない。自分の住む関東圏だけでも草津・箱根・鬼怒川など有名温泉地をあげていくことはできるが、そこがどんな特徴を持っていて、自分の嗜好に合っているのかどうかまでは知らない。

調査手段としては、やはりお手軽にネットで検索かけて…ということになる。今回はリフレッシュ目的の・何もしない・一人旅であるから、「温泉 まったり」「温泉 おこもり」「温泉 一人旅」などをキーワードにしてみた。

知りたいことと検索結果とのズレ

その結果わかったことのひとつは、上記のキーワードで検索すると、カップルや女子向けの記事がヒットする割合が高いことだ。

それらの記事はどうしてもデートスポットとしてムーディーかどうか、スタイリッシュでおしゃれかどうか、美容効果はどうかの切り口で書かれるから、おじさんが求める情報とはちょっとずれてしまう。

【自分が求める情報】
  • 湯の特徴…色、匂いなど。化学成分が出てくる話は理解できないが
  • 湯使い…源泉かけ流しがよい、という程度の知識しかないが
  • 鉄道・バスで行ける範囲か…ペーパードライバーなので
  • ひとり静かに過ごせそうかどうか
とはいえ温泉旅の初心者としては、女性の観点から施設の清潔感や設備の具合(とくにトイレ)に言及している文章はありがたい。小汚くていまにも崩れ落ちそうな建物を「趣があって良い」といって好むような玄人じゃないんで。

「おひとりさまの時代」はまだ遠い?

わかったことのふたつめは、予想されたことではあったが、昔からの湯治宿を除くと一人泊を受け入れてくれるところは少ないことだ。そこで諦めて、日帰り入浴を利用して泊まりは中核都市のビジネスホテル、というのでは趣旨が違ってきてしまう。

宿に電話して交渉すればよいのだろうが、そこまでするのはどうにも気後れする。この点は経験値が上がっても性格的にダメかもしれない。いまは少数派である一人泊OKの中から探すしかない。平日だったら一人でもOKなところはそこそこありそうだ。

偉大なる先駆者たち

楽天トラベルやじゃらんといった旅行手配サイトの口コミは参考になるが、一人旅ということでいえば、タイトルがそのものずばりの次のサイトが情報源として大いに役立った。
2ちゃんねるの投稿をまとめたサイトだが、よくある2chまとめサイトとは違い、まったく良心的かつ健全なページである。荒らしや釣りによるノイズを省いてあるし、都道府県別・温泉地別に体験談が整理され、とても具体的でわかりやすい。

何年もコツコツと更新を続けている様子で、本当に好きでやっているのだろう。すばらしい。自分はまだまだ初心者だし、情報のないところを新規開拓するなんてあまりに無謀、ここに載ってる範囲で探せば十分な気がする。


成功に味をしめて

こうしてあれこれと検討した結果、2016年秋に新潟の貝掛温泉と栃尾又温泉というところを訪れた。いやあ最高でした。すっかり生き返ったね。この最初の旅で体温前後の「ぬる湯」が好きになった。

それで終われば単に温泉でリフレッシュしました、ってだけの話なのだが、その後も「あの湯宿に泊まりたい」「あの温泉を体験してみたい」と、なにかにつけて温泉旅行を企てるようになってしまった。しかも温泉がまずあって、余力で観光やグルメが付いてくるスタイル。温泉の世界に完全に引きずり込まれたわけ。

宿に早い時間からチェックインして部屋でだらだらするか風呂に入るか、それだけの過ごし方にも抵抗ない、ていうかそれがデフォルトになってしまった。日が暮れるまで目いっぱい周遊しまくるぞとか、全然思わない。

まあ人ぞれぞれなので、このスタイルがいいとおすすめするものではないけど、自分にとっては一番快適だし楽しんでいる(少なくとも今は)。なので、お金と時間が許す限り、温泉×一人旅はまだまだ続きそうだ。


(その後の補足)
周囲に「温泉は良いよ」とすすめているうちに、じゃあ行こうよと一緒に行く機会が多くなり、一人旅よりもグループ旅行の方が増えてきた。車を出すパターンも増えてきており、必ずしも鉄道・バス旅とは限らなくなってきた。

そういった変化はあるものの、温泉めぐりはますます快調、宿泊をともなう旅行が月1~2回あってもおかしくないレベルになってきた。我ながらやべー。

だが、お金のことや休暇を取りまくりなのを気にしている場合じゃない。“やりたいことは全部やる”を当面のモットーとして、とりあえず前進あるのみだ。