泊食分離 - セパレート革命の衝撃

食事のご提供
1週間ほど前にネットで見かけた「泊食分離」のニュース。この単語は浅学ゆえ初めて目にした。1泊2食でいくらという料金体系を、宿泊でいくら・食事でいくらと別個の扱いにして、食事なしの選択肢を用意するということだろう。

これって素泊まりのことじゃないの。行政がモデル地区を指定して推進するらしいのだが、たいがいのところがすでに素泊まりプランやってる気がするけど。

泊食分離が始まる

いやもう始まってる

観光庁が旅行業界に対して泊食分離を促していくらしい。
女将が、もとい、お上がそこまで動かなきゃいけない状況だとは意外だった。なぜならネットでちょっと検索すれば、素泊まりプランを提供している宿は山ほど見つかるからである。

旅館側が「泊まりはX円です。別途で朝食はY円、夕食はZ円ですので希望する方はオプションで追加してください」という言い方をしているところはなく、「2食付きはX円、夕食なしはY円、朝夕なしはZ円」という言い方がほとんど。でも意味は一緒だよね。

素泊まり以外の取り組みが出てくれば新味あり

自分は温泉宿のことしか考えてないけど、ニュースはあくまで旅行業界と一般化した物言いになっている。温泉業界以外の旅館は2食付きを頑固に譲らないってことなのだろうか。

あるいは素泊まりの裏表をひっくり返した形態、つまり食のみの提供=他の旅館の客をも対象にしたレストランを宿泊機能と切り分けて経営する、というのなら、たしかに取り組んでいるところはまだ少ないように思う。

多様な選択肢があることが重要

自分の感覚だと、少なくとも庶民向けの旅館ですでに泊食分離はそこそこ進んでいるから、上の施策はあんまり影響ないようにも思われる。とくに湯治系の宿だと素泊まりは当たり前のようにある。自分は自炊能力ゼロなので自炊部みたいなところは避けるけど。

以前は2食付きにしか目がいかなかったけど、もし旅館内にレストランがあったり、周辺に飲食店豊富な温泉街や開けた町があるなら、素泊まりでもかまわない。現に(未公開エピソードや今後の予定の話だが)夕食なしプランで泊まるケースがいくつかあった/今後ある予定。

最近は素泊まりもアリじゃないかなと思い始めている。好き嫌いが多いし少食だから、せっかく出された自慢の料理を残すことになってしまうと悪いしね。

でも周りに食事できる環境のない一軒宿、料理がおいしいと評判の宿、ふだん口にしないような食材が期待できるところは、やっぱり食事付きで楽しみたい。いったん風呂に入ったらもう外には出たくない、館内で気兼ねなく酒を飲みたいってのもある。

なんにせよ選択肢が多いに越したことはないし、いまでも選択の幅が狭いわけじゃない。


おひとり様に食わせる料理はねぇ!

話はそれるが、旅行サイトで宿探しをしたときの経験では、2名以上だと食事付きプランがあるのに、おひとり様には素泊まりプランしか提供しないパターンを結構見かける。あれはなんだろう。

ひとりのために食事を作って出して片付けてたら採算割れしてしまうからなのか、おひとり様おことわりの婉曲表現なのか。そのへんの機微がわからないんだが、これまでの自分は見つけた宿に多々魅力を感じていたとしても、素泊まりプランしかなければ泣く泣く候補から外していた。

しかし最近の心境の変化から、あきらめずに素泊まりで行ってみてもいいのかなと。実際行ってみたら「本当はおひとり様おことわりだっつーの。空気読めよ」みたいな対応されるとアレだが。いっぺんやったろか。おことわりが本心なら予約時に拒否するだろうし。


分離の時代

世の中は「政教分離」から始まって第3セクターの「上下分離」に医療の「医薬分離(分業)」、電力の「発送電分離」そして「泊食分離」へと分離がどんどん進んでいる。

牛丼屋では単品牛皿と単品ライスという形で「牛米分離」が実現している。ラーメンのつけ麺は麺と汁を別々に単品注文できないので「汁麺分離」まであと一息。ほかにもハンバーガーの「具パン分離」とか寿司の「上下分離」とか出てくるんじゃないの。

働き方改革の延長で我々も分離方式で労働力を提供することになるかもしれない。エンジニア目線だと、たとえば文系的な事務作業と理系的なエンジニアリング業務を分ける「文理分離」。設計・製作など狭義の“ものづくり”と会議・顧客接点などのコミュニケーションを分ける「手口分離」。

ほかに社内政治と本業を分ける「政業分離」、金・地位・名声のためにやる仕事と自己実現のためにやる仕事を分ける「名実分離」など。

一方で、ブラック企業が話題に上る昨今、雇用する側が「白黒分離」を持ち出してきたら、ちょっと怖い。

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